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成功の秘訣はローカリゼーション!海外向けクラウドファンディングの英語翻訳で気をつけるべきポイント。

こんにちは!Tokyo Otaku Mode翻訳事業部です!
このブログでは今まで培ってきた英語翻訳サービスのノウハウを、みなさまに少しだけお見せしていきたいと思っています!

突然ですが、みなさんはTokyo Otaku Modeをご存知でしょうか?
そしてご存じの方でも翻訳サービスを提供していることまでご存知でしたでしょうか?

Tokyo Otaku Mode初耳!という方向けに少し説明をすると、こんな感じです。

  1. 日本のポップカルチャー情報を英語で日々発信するFacebookページでのいいね!数は2000万人を超え、その99%が海外から。
  2. クールジャパン機構出資案件第1号。
  3. オタク文化で世界をハッピーにすべく、日本のオタクグッズを海外に届ける越境ECでサービスを提供している。


最近巷でバズワードとなっている「越境EC」や「クールジャパン」の業界においてはそれなりに認知をして頂いています。
海外のアニメ系のイベントで、Tokyo Otaku Modeのロゴが入ったTシャツを着て歩いていると、「Are you working at Tokyo Otaku Mode?」と知らない人から声をかけられることもあります!

と言いつつも、2012年4月に会社設立後、ずっと海外のB to C向けにサービスを行ってきたので、日本国内ではまだまだご存知でない方も多いと思います。

そんなTokyo Otaku Modeですが、実は今年の1月から翻訳事業を日本向けB to Bサービスとしてスタートさせているのです。元々は越境ECサービス「Tokyo Otaku Mode Shop」や海外向けオタクニュースサービス「Tokyo Otaku Mode News」で出ている英語の情報は全て、アメリカやカナダ出身の社内英語ネイティブメンバーが翻訳・ライティングしています。

なぜ「翻訳・ライティング」という書き方をしたかと言うと、原文の日本語を英語翻訳している場合と、ゼロから英語で書き上げている2パターンが存在するからです。

例えば、ニュース記事の中でも提携している日本のアニメ系メディアさんの記事を英訳して転載しているケース。これは前者の翻訳に該当します。逆に自社でイベントを取材する場合、英語ネイティブのメンバーに現場に同行してもらい、直接記事を書き起こしてもらいます。これは後者のライティングに該当します。

ちなみに、Tokyo Otaku Modeの英語ネイティブメンバーは日本人がビックリするぐらいみんな日本語が上手です!かつアニメ・漫画・ゲームはもちろんのこと、日本文化に凄く精通しています。

話は戻りますが、既に越境ECやメディア事業でお取引のある日本のメーカーや出版社数社から「英語翻訳をお願いしたいのですが、サービスでないんですか?」という声を多く頂き、サービス化したのが成り立ちです!

翻訳事業ご紹介ページにこれまで英語翻訳サービスをご利用頂いた企業様の一部を抜粋しています。
漫画やアニメなどのポップカルチャーだけでなく、プレスリリースやインバウンドの観光紹介サイトなど様々な英語翻訳を行っています。

Tokyo Otaku Mode翻訳事業部についても大体ご理解頂けたでしょうか?
(読んでくださる方が首を縦に振っている姿が何となく想像できました)

ということで、いよいよ本題に入りたいと思います!


初回のテーマはこちら!
成功の秘訣はローカリゼーション!
海外向けクラウドファンディングの英語翻訳で気をつけるべきポイント。

タイトルが長いですね!
Tokyo Otaku Mode翻訳事業部では実は海外向けクラウドファンディングの英語翻訳実績も多数あります。
自社サービスの「Tokyo Mirai Mode」上で行われたプロジェクトはもちろんのこと、Kickstarterやindiegogo上で行われた日本発、海外向けプロジェクトの英語翻訳サポートも行ってきました。

その中で得た知見と、アメリカやカナダと言ったプロジェクトのターゲット国生まれのTokyo Otaku Mode翻訳メンバーだからこそわかるネイティブ目線の意見を、少しだけお見せしちゃいます。
秘伝のタレを少しだけおすそ分けする感じですね!

キーワードはずばり、「ローカリゼーション」です!

ローカリゼーション」という言葉を聞いてどんなことが浮かぶでしょうか?
よくグローバルビジネスの世界では「地域化」と言われていますね。
車を例にして挙げてみましょう。日本では右ハンドルだけどアメリカでは左ハンドルの車を製造する、標準体型の違いに合わせて同じ「中型車」でもアメリカ向けは少しサイズが大きい。表面的な違いはそれほどではないにしても、体験するユーザーからすると大きな違いをもたらし、結果それが売上に多大な影響を及ぼしてきます。

実はこれ、クラウドファンディングの翻訳の世界でも全く同じことが当てはまります。
日本で成功したクラウドファンディングプロジェクトを英語で海外展開しようとした時、単純に日本語の説明文やストーリー、リワードの文言を「直訳」するだけでは失敗してしまいます。Google翻訳のベタ貼りは論外です。

いくら開発者/製作者/職人の熱い思いやこだわりが素晴らしいものであっても、直訳するだけではニュアンスやメッセージがまっすぐにバッカーに伝わらない可能性があります。

例として「こだわり」という単語
これ自体は使われる場面によっては意味合いが変わる、非常に情緒的な表現です。
Google翻訳、辞書サービスでは
「prejudice」
「hitch」
「takes ○○ seriously」
「particular」
「fussy」
「obsession」
などと訳されています。
しかし
「prejudice」
「hitch」
「fussy」
「obsession」
は使い方しだいでもありますが、基本的にネガティブなイメージを持っています。
どのようにこだわったのかを書かずに、むやみやたらに英語の説明文に使用することはおすすめしません。

ある日本語の単語を日英辞典で検索した時に、複数の英単語が候補として出てきますよね?
英語ネイティブ目線から見れば実は微妙にニュアンスが違う場合もありますが、単に英語が出来る日本人には感覚的なその違いを分別することができません。

かくいう私もアメリカの大学院を卒業していますが、帰国子女でもなければ10代の頃に英語圏へ留学経験したこともありません。英語が出来ても、ネイティブ目線の「感覚」は永遠に身につけることは非常に難しいのです。我々日本人が日本語に対して無意識のうちに身に着けている感覚を、日本語を勉強している外国人が習得するのは難しいのと同じですね。



それは単語レベルだけではなく文言全体の流れ/文章構成でも同じことが言えます。
日本ではストーリーを語る時に、雰囲気作りのために導入部分をとても重要視したり、行間の空気をたくさん調整しますよね?(かくいうこのブログ文章もそうですね!)

ですが英語圏向けのページは単刀直入に5w1hに入ることが多いです。
導入をたくさん話そうとすると「で、言いたいことは何なの?」と突っ込みをくらってしまいます。

下記例を見てみましょう。
こちらは声優・歌手の緒方恵美さんのデビュー25周年プロジェクトです。
日本ではCAMPFIREでクラウドファンディングが行われ、開始90分で目標金額を達成するという大成功を収めました。

プロジェクトでの、緒方さん直筆のご挨拶文がこちらです。
7edc6627-567c-427b-85f0-6f7ad691cff7.jpghttps://camp-fire.jp/projects/view/28110

このプロジェクトの海外向け支援をTokyo Mirai Modeで行い、英語翻訳はもちろんプロモーション支援、越境ECサービスで培ったノウハウを活かした配送までTokyo Otaku Modeが担当しました。

前述した通り、英語圏のユーザーは単刀直入な文章を好みます。「なにが問題なのか/なにをしたいのか」を先に書くことで、本当に伝えたいことがより伝わりやすくなります。
そのため、緒方さんのご挨拶文は英語版では意訳し、このようにお書きいただきました。
OgataMegumi-message.jpghttps://miraimode.com/projects/animeg25th

海外へのCDやDVD流通状況が真っ先に入ってきて、このプロジェクトを実施することでの目標が伝わりやすい構造になっていますね。英語版のページでは最初に要点をストレートに伝え、後からストーリーを補足する必要があります。(これは日英のビジネスメールなどにもその違いが顕著に現れています)

単純な英語翻訳ではなく、ターゲットの地域の文化に馴染みやすいように語句や文章構成を変更することでバッカーを惹きつけやすくします。

また、英語に翻訳して海外展開したいクラウドファンディングのプロジェクト内容が、ガジェットや伝統工芸品など輸出が必要な商品販売の場合、他にもローカリゼーションしなければならないポイントがいくつかあります。


・センチ/インチ、グラム/ポンドを表記
第2言語の感覚を後天的に身につけることは難しいと先ほどお話しましたが、サイズ表記に関しても全く同じことが言えます。日本人にとってはセンチ、グラムが当たり前の世界ですが、アメリカ人にとっての当たり前はインチとポンド。自分の身長と体重をインチとポンドで今すぐ教えてと我々日本人が聞かれても絶対に答えられないですよね?プロジェクトのバックを検討しているアメリカ人のページ閲覧者にどこかの変換サイトでいちいち計算させるのはかなりマイナスの印象を与えてしまいます。ですので、サイズの併記は必須と言えます。

スクリーンショット 2017-11-07 11.52.20.pnghttps://otakumode.com/projects/sagiri?lang=en

余談ですが、サイズ以外にも気温についても同じことが当てはまります。日本での気温の表記は摂氏(℃)ですがアメリカやイギリスでは華氏(°F)を使います。筆者も渡米して初めの方は°Fの数値感を身につけようとしましたが断念しました。華氏32度は摂氏何度ですか?と聞かれても全くわかりません(ググったところ、0度でした。なので単位を間違えて半袖Tシャツで外出すると確実に風邪ひきます)


・返品/破損ポリシーを明示
海外に物品を配送する場合の破損率はとても高いです。

boxes.jpg

海外では正規の郵便システムでもこのようにボロボロになってしまうことが時折あります。

日本では絶対に有り得ないレベルで段ボールがボコられてますね。
もはや現地の業者の人がストレス発散のためにキックパンチしているんじゃないかレベルですね。

ここで大事になってくるのが返品/破損ポリシーをしっかりと作成してそれをクラウドファンディングページ内で明示することです。
Tokyo Otaku Modeでは自社の越境ECを通じて培ったノウハウがあり、商品の特性や対象国によって必要な情報をしっかりと英語で追加することが出来ます。
翻訳スタッフとは別に、自社で英語ネイティブのカスタマーサポートチームを抱えており、このポリシーに関してはカスタマーサポートメンバーにアドバイスをもらっています。

返品は受け付けるのか?何を持って破損というのか?

仮に配送トラブルが起こってもポリシーが明示されていれば「ここに書いてあるからこういう対応をします」と事態を収拾しやすくなります。
もちろん日本クオリティで商品梱包をしっかりするのは大事ですが、想定外のトラブルに備えることも大切です。

これは英語翻訳ではなく、ライティング・ローカリゼーションですね。

>Q: Can I return a Product or exchange it for a different version?
>Unfortunately, Products can not be returned or exchanged. If your Product was defective or damaged upon arrival, please contact us as soon as possible.
https://otakumode.com/projects/faq

ここまでの内容を通じて「ローカリゼーション」に必要なポイントが何となくわかってきましたよね?
イメージがついてきたところで、最後に1つ重要な点をお話します。

それは自分が頼みたい内容がわかったところで「英語翻訳会社にどのように依頼すべきか」ということです。英語の翻訳作業をするのは翻訳会社です。翻訳でなくローカリゼーションレベルで翻訳をお願いする場合には、何に気をつけて依頼をすれば良いのでしょうか?依頼者に正確な情報を伝えなければ、とんでもない英語があがってくる可能性があります。ましてやその内容を確認出来ないとなれば、クラウドファンディングページの英語翻訳依頼はリスクばかりが大きくなってしまいます。

下記のポイントは翻訳者が考える要点ですので、しっかりと押さえておいてください。

トーン(口調)は何を参考にすべきなのか
過去に類似のプロジェクトはあるのか
もしある場合はどのように差別化したいのか
これだけは読ませたい」部分はどこだろうか
この文言を読んだ人をどんな気分にさせたい
どのようにしてもっと読みたくなるのか
どうやってリワードを欲しくさせるのか
支援したくなるために必要な情報が十分に文言に含まれているか
もしそうでない場合、どのようにして情報を補充できるか

これらをすべて満たすことで英語圏ウケのいい文言が作れること間違いないです。
Tokyo Otaku Modeでは私のような日本人スタッフがしっかりとクライアント対応して、上記の要件定義を行い、また意図した翻訳構成になっているかのチェックを行います。
これは機械翻訳やクラウドソーシングの翻訳サービスでは決して出来ることではありません。

また、Tokyo Otaku Modeではこれまでにクラウドファンディングの翻訳サポートだけでなく、ストーリーテリング型の自社商品開発・販売を通じていくつものヒット商品を世界に届けてきました。ここでも翻訳スタッフによる「ローカリゼーション翻訳」が売上に大きく貢献しています。

英語での海外向けクラウドファンディングプロジェクトを検討していて、翻訳/ローカリゼーションをしてくれる翻訳企業を探している!ということでしたら、是非お気軽にお問い合わせください!!

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